webSF小説。かなりおもしろい。

のと

この小説は架空戦記である。自衛隊輸送艦が、第二次大戦前の日本に現れる。しかし、この小説の独特だ。映画化されたかの架空戦記などのように、未来兵器が圧倒的火力を…とはいかない。
輸送艦を手に入れた日本人が知ったのは、第二次大戦での敗北。そして戦後。船に関わったごく一部の人たちが、参戦そして敗戦を防ぐためにシミュレーションを重ね、奔走していく。
この作品の面白いところは、日本という駒をどう動かすかという戦略と、開戦までの限られた時間であらゆる手段を尽くす(船で発見されたティッシュやナイロン繊維さえも使う)所だ。

伝説の正体を見た日

昭和の小学校の様子がありありと分る書き出しで始まる。学校を休んだクラスメイトにパンを届ける主人公。七夕のその日、そこで盗み見たものは、竹ひごのわっかと、溜電石と呼ばれる石を使った謎の行事。この古臭く科学とは無縁そうな出だしから始まるこの小説は、しかし謎が解けるにつれ、整合の取れたサイエンスフィクションに変貌していく。後半ほどテンポが増し、緊張感が高まる。
※ブラウザ落ちる場合がある見たいなのでご注意を

神の観察

西暦2030年。プログラミングに長けた主人公が暇つぶしに作ったのは、生物を模した自己増殖を行う人工生命(プログラム)。しかし自己増殖だけでは単に増えるだけ。そこで"死"という概念、そしてさらにもうひとつの概念を追加した事から、主人公の想像を超えた事態が展開していく。PCの中の仮想的な話を、そう持ってくるか!という所はニヤリとしてしまう。あのweb漫画の名作、オーシャンまなぶの作者によるSF小説