日清のサバイバル研修は、女性に不利なのか
「男性多数+女性1人」でのサバイバルは成り立つ
日清食品が若手管理職を対象に離島でのサバイバル研修をさせるニュースに対して、Chikirinさんが"女性"という言葉を切り口に設問を書かれている。これを読んで、「女性が働きにくい会社だ!」との主張かなぁ、と感じましたが。
確かに、トイレの無い(だろう)無人島で、男性多数+女性1人という状況もありえる共同生活ってのに、望んで行く女性の割合は、男性より小さいだろうな、と思います。*1
でも、「男性多数+女性1人」でのサバイバルは成り立ちます。大学のサークルでの合宿の話です。男性6名、女性1名で5日間をかけて西表島の山道を横断しました。米や食器や鍋やガスバーナーやテントや寝袋など、装備の上では日清食品の研修よりかなり快適です。でも、トイレなんて設備が無い状況で数日間の共同生活を送る点では同じですね。
合宿が成功した理由
サークルの合宿が成功した理由。の推測です。
- 1、女性にとって、安心感のあるメンバーだった。
別段、無理やり何かをするような奴等が居ないってのは、多分サークル内の共通認識だったと思います。まぁ、マイナーな植物に異様な執着を見せたり、ゲジゲジをカワイイと言ったり、カメラを向けると多彩な顔芸を披露してくれたり、その他もろもろ変な奴の集団ではあったけど。
- 2、目的が魅力的だった。
目的はその地域固有の生物を見る事、副次的にはめったに体験できない夏休みの遊び。
- 3、体力的な心配がなかった。
体力に応じて荷物を振り分けたし、山道も慣れている。登り辛い所は、もちろん皆で協力しました。
なんで「サバイバル研修」に女性が参加したがらないか
前段の話から、こんな風に考えてみます。
- 1、よく知らないメンバー
野外で警官も居ないところ、何をされるかわかったもんじゃない。
- 2、研修に魅力が無い!
そもそも、そこまでして管理職になりたくない。むしろ技術畑こそ自分の道!!(嘘)
- 3、体力的に心配
目的は若手管理職の心身の鍛錬、必要物資は例外なく自分で運べ!!っていうのは無理。
これだけじゃありません。トイレの問題もあります。要は勇気g・・・、要は研修を促す要因、不安を煽る要因を考えると、後者が勝ってしまう事です。
で、それは本当に女性だけ?
自分(男)で考えてみると。
- 1、よく知らないメンバー
ノンケ*2も構わず食っちまう男がメンバーに居るかもしれないなら、俺は行きたくない。
- 2、研修に魅力が無い!
引き篭もりなので、無駄に頑張って研修とか企画していただかなくても…
- 3、体力的に心配
ガリで細い自分は、特に筋力に関しては平均的な同年代男性より劣っていると思います。みんな何、あれは普段筋トレとかしてんの?あと精神的にもチキンで、小学生のときちょっとチャレンジングな事やるじゃないですか、やや幅のある水路を飛び越えるとか。もちろん挑戦もせず、橋まで迂回する奴でした。なので、横断しきる自信はありません!
と、まぁこんな風に、男でも同じ理由があったりする訳です。でも、もうちょっと考えてみました。
女性に多い理由もあるけど
ぱっと考えてみた理由です。
- 1、化粧しないまま人前に出れない
- 2、虫が苦手
- 3、サバイバルの知識があまり無いので不安
- 4、体力的な不安
- 5、生理で無理
1、2、3は後天的、文化的な性別が原因でしょう。一方、4、5は身体的な性別に起因します。
4、5は普通どうしようも無い事で、それを考慮しない研修であれば女性差別です。
一方、1、2、3は、そういう女性が多い事を認識しつつも研修を行うのは女性差別と言えない事もないかもしれません。が、"男女平等"がもしもっと浸透すれば、女性特有の問題では無くなり、女性差別ではなくなるでしょう。個人的な感覚では、"男女平等"を意識して、敢えて1、2、3を無視するのを差別と呼べるかには疑問があります。
と、ここまで書いて、結局行き着いたのは生物的な性(sex)と、文化的な性(ジェンダー)の良くある話となりました。そっちの議論を調べると、もっと進んだ話になってるかも。