ボカロ衰退論のための前提について

この話題になると、話しがどうも噛合わないと感じていたのだけど、当然の原因に思い当たった。たぶん、ボカロシーン(界隈、あるいはクラスタ)が定義されていないからだ。どういうことか整理してみた。なお、このエントリでは"衰退論"自体は扱っていないのでご注意。

ボカロシーン全体の議論は難しいと思う

無論、議論するなら対象を定義すべきだ。とは頭で分かっていたものの、ボカロシーンが本当に多様だという事を忘れていた。販売会社や楽曲を作成するPを除いても、ニコニコ動画でランキングやPを追って楽曲を聴く人、ボカロが話題だと知ってYOUTUBEで試しに聴いてみる人、あるいはDIVAなどのゲームで楽しむ人、楽曲よりキャラクターの消費を楽しむ人など、言い出したら切がない。


ボカロシーン全体の動向を議論するなら、前述のような多様な分野を網羅する指標が必要だけど、これが結構難しいと思う。例えばソフトウェアのVOCALOIDの販売数は視聴者の動向を反映できない、動画の再生数・マイリス数は楽曲をあまり聴かない層を反映できない、ファミマのキャンペーン頻度や売り上げ*1もグッズに興味が無い層を反映できない。あえて言えば「参加者数」だけど、各分野ごとに得られる情報が異なるので、それぞれに算出方法の設定が必要で*2、大変そうだ。


したがって、ボカロシーン全体の動向の議論が難しいので、衰退論の議論は対象分野を明示すべきだと考える。

主観も有用と捕らえる自分の立ち位置

では、どんな分野に論点を絞るか。もちろん、各々勝手に設定すれば良い。


自分の場合は、影響を受ける範囲の動向が知りたいので、衰退論に興味を持っている。ちょっと分かり難いか。自分は基本的に動画・楽曲を視聴し、できれば面白い動画・楽曲を見つけることが、ボカロに関わる第一の目的だ。多分。


その目的に影響するのは、動画の投稿数だろうし、Pや他の視聴者の動向(人数の多さ、活動性、多様性)もそうだろう。その点で、投稿数や再生数、マイリス数が、自分の興味のあるボカロシーンの一端を示すものだと思っている。


ただし、目的が目的なので、やはり最終的なボカロシーンの評価は主観になると思う。つまり好きな曲が沢山見つかれば良いのだ。これは恐らく定量的なデータとして入手できない反面、似た嗜好の人であれば、その人の主観は参考になると思っている。そう考えているので、ボカロシーンを主観的に捉えた考えが記されていれば、読みたいと思う。

*1:データが公開されてるかは別だけど

*2:加えて、分野ごとの重みも考慮した方が良さそう