伊豆大島での大雨災害と避難に関する情報について
今回の災害で感じた、災害対応における問題点を書き出してみました。
災害の状況
台風26号(台風1326号)による大雨により、伊豆大島で土砂災害が発生し、死者・行方不明者が生じています。(下記引用は、10月16日 18時51分の更新のもの)
台風26号による大雨が降っていた東京の伊豆大島の大島町で、16日未明、山の斜面が崩れるなどして、30棟以上の住宅が倒壊し、これまでに16人の遺体が見つかりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131016/t10015320851000.html
また、ほかに43人の住民の安否が分からないということで、警視庁などはほかにも巻き込まれた人がいるとみて捜索を進めています。
特別警報と警報の問題点
今回の災害は気象に関連しており、気象庁による注意喚起が期待されました。特に、今年8月30日から開始され、周知されてきている「特別警報」が発表されれば、危険性がかなり大きいことを住民が知る事ができたと思われます。
しかし、「特別警報」は発表されませんでした。その点について、予報士の森田正光さんが指摘しています。
「特別警報」が発表されるには、50年に一回規模の降雨量という基準のほか、その現象が「府県程度の広がりの範囲内で10格子以上出現・・・」という、指標があります。したがって、伊豆大島だけの観測値では「特別警報」の条件を満たさないことになります。
しかしこれでは、島嶼部はどんな気象状態になっても「特別警報」が発表されることはないわけで、「命を守る」という気象警報の主旨からすると、基準は本末転倒ということになります。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/moritamasamitsu/20131016-00028972/
特別警報は「重大な災害の危険性が著しく高まっている場合」に発表されるものです。過去の事例だと、死者・行方不明者が100人以上〜18000人以上の事例等が該当するとのことです。*1。
また、「警報」に限らない問題点ですが、発表されたとしても必ず被災する訳ではなく、その経験が蓄積される点が悩ましい所です。「経験上大丈夫だから、特に対応を考えない」という事に繋がると思います。
自治体からの避難関連の情報について
しかし、今回の大島町からは、台風への注意喚起はあったものの、避難勧告・指示等の避難の呼びかけは無かったとのことです。
この台風で東京都の大島町は地元の警察署から避難勧告を出したり、気象庁から厳重に警戒するよう要請されたものの、住民に対して避難を呼びかけていなかったことが分かりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131016/k10015323181000.html
これについて大島町は「日頃から危険を感じたら自主避難するよう呼びかけていたので、特に改めて避難を呼びかけることはしなかった」と話しています。
事後だから何とでも言えるのですが、今回の被害の状況が予見できれば、やはり避難に関する情報があった方が良かったと思います。
記事にあるように、気象庁や警察からの直接のコンタクトがある、災害の履歴が何がしか整理されてるだろう点、当直が居るだろう点から、住民が知らない情報を知っていると思われるので、住民より適切な判断ができる可能性があります。そのため「日頃からの呼びかけだけで十分」とは言えないでしょう。
憶測ですが、何か避難に関する情報を発表しづらい要因があったのではないかと感じます。
- 災害が予見できない(避難が必要な程か分からない)
- 災害の状況が掴めない(台風の中なので)
もし、上記のような要因があったとしたら、それらを改善する事を考える必要がありますが、一概に基準化できない難しさがあります。
自助の重要性
前項までは、公共機関が行う公助について書きました。しかし、多くの人を対象とする公助には限界があります。
大雨の場合でも、斜面や山すそ、河川の近く、低地などは災害が生じやすいと思います。また、すでに浸水しており避難することが逆に危険な場合もあります。それら個々の状況について、公共機関が個別に注意を促すことは、現状難しいと思います*4。
そこで、自分の家などの環境を把握し、気象状況に応じた行動を取れる事が理想だと思います。ただ、どういうときに、どう行動すべきか、あるいはどんな場所がどういう状況で危険になるのか、目安のようなものが整理されていて活用できれば、と思います。*5
まとまりが無いのですが、とりあえず書き出しました。